子どもの感情コントロール

前回は感情が大きくなりすぎる前に親にできることを紹介しました。しかし、いくら感情を刺激しないよう予防策を取っていたとしても子どもは些細なことで激しい感情を露わにするものです。今回は、ある程度感情が大きくなってしまった時の対処について紹介します。

 

 

①本人が安心できる刺激に触れさせる

小さな子どもは痛みを感じた時に大人の抱っこを求めることが多くあります。これは親とのスキンシップが本人にとっての安心感につながり、自分の気持ちを落ち着けることができるからです。(感覚過敏などがある子どももいるので個人差があります。)

まだ赤ちゃんに近いうちには大人に抱っこされることで気持ちを落ち着けていたものが、大きくなるにつれ安心につながる刺激は広がりを見せます。

例えば、好きなテレビを見る好きな曲を聴く水を飲む毛布にくるまるなど、安心につながる刺激は子どもによって様々です。その子にとってどんな刺激に触れさせると安心感につながるか事前に考え、準備しておくと役に立ちます。子供が癇癪になったり怒りが止まらなかったりする時には、その刺激を与えることで、一旦冷静にする手助けができます。


②何がどうして嫌なのか聞いてみる

これは当たり前のことのようですが、子どもに対応する時はついつい怠りがちになる気がします。

ただ頭ごなしに「だめ!」と言わずに一旦気持ちを聞いてあげます。それがいかに理不尽な言い分だったとしても、「あなたはそう思ったから嫌だったんだね。でも〜だからこうしてね」という言い方にするだけで意外と子どもは納得することがあります。

こうすることで、自分のその時の感情、そしてなぜそのような気持ちになったのかを認識する力をトレーニングできます。これは将来的により複雑な感情を自分で扱う際の土台となる大切な力です。


③落ち着くまで待つ

見通しは立ててあげたし、代替案があるような状況でもない、理由を聞いてもよく分からない、落ち着かせるために色々試してみたけど拒否された。全部やったけどうまくいかない…そんなこともしょっちゅうあるかと思います。

そんな時は刺激せずに落ち着くのを待ちます。


感情は時間と共に少しずつ落ち着いてくるものです。しかしここで「いつまで泣いてるんだ!」などと怒られるものなら、落ち着いてくる前にまた感情がぶり返してしまいます。適宜「落ち着いたら話そうねー」など声はかけますが無闇な刺激は避けた方が良いです。


また、暴れるからといって落ち着かせるために子どもの要求を飲んでいると、子どもは「暴れれば要求が叶うんだ」と学習してしまいます。

親ができることは、「暴れても意味がないよ」と学習するまで、ひたすら刺激せずに見守ることです。

(これは外出時などは人の目もあってけっこうきついですよね…私もどう思われるか気になってしまいますが、実際は寛容で優しい方が多いと感じることが多い気がします。親の鍛錬と思い、私は心を無にするために今日の献立を考えます。)

そして落ち着くことができたらすぐに「自分で落ち着けて偉かったね」と褒め、冷静な状態で何が嫌だったのか話し合います。褒めることで子どもは「自分の力で落ち着けた」ということを成功体験として認識でき、次第に自分で落ち着くことを学んでいきます。