子どもに感情のコントロールができるの?

子供が感情をコントロールすることは大人よりも難しいと言われています。なぜなら、前頭前野という、簡単に言えば理性を司る部位が未発達だからです。この前頭前野は、行動を組み立てたり、予測して計画を立てたり、感情や行動を抑制するなど、人間が社会で生き抜くために大切な役割を担っており、10代前半にかけてゆっくり完成していきます。


子供が癇癪を起こしたり我儘を言うのは、脳がまだ発育途上だからです。

ですから、「なんでこんなことで泣くんだ」とイライラした時なんかは、「あーまだ脳が発達途上なんだな」「感情が溢れ出てしまって本人も辛いだろうな」と半ば諦めの気持ちを持つことも大切です。


とは言え癇癪を起こされると親も大変ですから放置はできませんね。子供が少しずつ感情をコントロールできるようになるのを手助けするために、大人ができる工夫があります。

 

感情はなるべく強くなる前に対処することが肝心です。まずは感情を大きくしすぎないための予防策について紹介します。

 

①見通しを立ててあげる

大人でも、あと30分くらいはテレビ見てたいなと思ったのに急に「もうおしまいです」と言われたら嫌な気分になりますよね。子供も同じです。

ですから、あとどのくらいの時間遊べるのか、そのあと何の行動をするのかまでしっかり見通しを伝えることで、子供も自分のやりたい!という気持ちを我慢でき、大人の指示を受け入れやすくなります。

子供は時間感覚もまだ未熟ですので、「あとどのくらい遊べるか」の伝え方には工夫が必要です。


例えば…

テレビを見ているなら「これが終わったらお風呂に入ろうね」プラレールをやっていたら「電車があと一周したら片付けるよ」ブランコをやっていたら「あと10回こいだらおうちに帰るよ」

と言ったように、なるべく具体的に伝えてあげます。

 

数字が読めるようになったら時計を使って時間を意識させることができますが、「あと10分だよ」「あと5分だよ」などと前もってリマインドすることで切り替えをスムーズにできます。(切り替えが苦手な子どもほど、なるべく前もって小刻みにリマインドすると良いです。)

 

数字の読めない子どもでも、時計の文字盤の数字の部分に動物やキャラクターの絵が付いているものを使えば「ゾウさんになったら保育園行くよ」などの声かけができます。

 

他にもTime timerという時間が視覚的に表示されるアプリなどは外出時にオススメです!


②代替案を示す

何かやりたいことがあるのにそれが叶わない時には、代替案を一緒に模索してあげます。

「今日は無理だけど、明日買おうか」とか「このおもちゃは使えないからあっちを使おうか」などと提案することで、本人が自分自身の感情と折り合いをつけていくことを手助けできます。

 

③感情を逆撫でしない指示の出し方

子供は「だめ!」とか「〜しちゃいけない」などの否定語に敏感です。(大人もそうですよね…)なるべくダメという言葉を使わずに「〜してね」と語尾を肯定語にすると無闇に子どもの感情を逆撫でせずに指示を出すことができます。

また、イライラした態度は子どもにも伝染します。とても難しいことですが、子どもに指示を出す際には子ども自身が良い気分でいられるよう親自身も穏やかな態度で接すると、結果的に子ども自身も癇癪を起こしにくく、スムーズに指示に従わせることができます。