不適切な養育って何?
不適切な養育って何か分かりますか?
よく検診などでは、子供を感情的に怒ってしまうかどうか問診でチェックされたりしますが、それがなぜいけないか分かりますか?
ここでは、できれば避けた方がいい養育方法について、それがなぜダメなのか簡単に紹介します。
①恐怖を与えること
怖い!と感じると理性的に考えられなくなるので、「なにが」「なぜ」いけなかったのか丁寧に振り返ることが難しくなります。その結果、子供には「怒られた…」という事実だけが記憶に残り、何がいけなかったのかよく分からない、なんてことになることもあります。
また、言い分などがある状況でも、萎縮するとなかなか自分の気持ちを言葉にできません。すると、自分の気持ちを適切に表現したり、感じている感情をコントロールするトレーニングが積めなくなります。その結果、成長してから対人面で問題を呈したり、感情を溜め込みすぎてストレスが精神的な問題や原因不明の身体症状として現れることがあります。
そしてこれの1番怖いところは親子関係が悪化する可能性があること。
大人でも考えてみてください。いつも怒って恐怖心を煽る人が上司だったら逃げ出したくなりませんか?子供も、恐怖心が強すぎると怒られるのを避けて嘘をつくようになったり、大きくなった時に家出をしたり、様々な問題につながる可能性があります。
②子供の発達レベルを考慮しない叱り方
能力的にできないことを求められて、それができないと叱られる。これは子供の無力感や自信のなさにつながります。
例えば、まだ自分の物と他人の物の区別がついていない子供が一緒に遊んでいる友達のおもちゃを取ってしまった時。こんな場合に叱ることは全く意味がありません。親としては無理矢理そのおもちゃを友達に返し、その場から離れさせることしかできません。できないことを叱られることが繰り返されると子供は「自分は何もできないんだ」と自信を無くしていきます。
極端なことを言うようですが、足の不自由な人に、「この階段を登れ!」「頑張ればできる!」と鼓舞して何とか登らせようとすること。これは誰がどう見ても虐待ですよね。
身体的な不自由さは誰が見ても分かるものですが、子供の言語、認知、運動の発達レベルが今どのくらいなのか、これは専門家でもしっかり検査を取らないと分からないことが多いです。ですから、色々工夫してみてもうまくいかない時には「ああ、まだこの発達レベルに達していないんだな」と一旦諦めて待ってみる姿勢も必要です。
テレビを離れて見させるために、テレビの前に人工芝を置いておくのはSNSなどでもよく見かける対処法ですね。このように子供ができること、できないことを見極めて環境を設定してあげることが大切です。
こんな養育が悪影響となることは、SNSをはじめ様々なメディアを通して子育て世代に広がりつつあります。「怒ったり叱るよりも褒める方がいいんでしょ?」なんとなくそれは分かってるけど、叱ることも時には必要だし具体的にどう接していいか分からないなんてこともあるかもしれません。
「褒める方がいい」というのは、ただ単に子どもの精神的な悪影響を避けるためだけでなく、悪影響を極力避けつつも子どもの行動をコントロールするのに有効だからです。(そして褒め方や叱り方にも実は色々あります。)このブログではその方法について紹介していければいいと思います。